白内障手術の体験記(2022年9月に両目を手術)
【症状と手術を受ける気持ちになったいきさつ】
白内障の症状として視野がぼやける、二重三重に見える、まぶしく感じる、暗く感じる、近視が進む等と言われていますが私の場合そういった症状はほとんど感じられませんでした。ただ、新聞を1時間程度丹念に読むと目が疲れてそれ以上読む気が起こらないということが続きました。目やにもありました。
年齢から言っても(1951年生まれ)白内障があって当たり前ですし、あまり高齢になってからの手術はよくないと思い、滅多に行かない病院(眼科)に行く決心をしました。
【病院選び】
そこで病院選びが始まるわけですがネットで調べると水晶体を包んでいるふくろが破れた時にそれに対応できる設備と硝子体手術の専門家がいる病院がいいと書いてありました。色々悩んだ結果、自宅からは車で1時間程度かかるのですが、硝子体手術にも対応しているKクリニックに決めました。
【レンズ選び】
結論から書けば30cm位に焦点が合う単焦点レンズにしました。
理由はまず保険が効くことです。それと多焦点レンズと違って鮮明に見えることです。
また、構造も簡単で歴史も長く信頼できそうだからです。ある眼科の先生は自分が使うなら単焦点レンズにするともおっしゃっていました。もちろんメガネは必須ですが小学生の頃から使っていますのでむしろメガネを使わない方が不安ですので全く問題ありません。
多焦点レンズも検討しましたが、やはり高価(両眼で100万円越えも)なこと、見え方の質がやや劣る傾向にあるとのことで止めました。
ただ気になったレンズが一つあります。レンティスコンフォートというレンズです。これは多焦点レンズのように遠くも近くも見える上に保険が適用されるというレンズです。ただ発売から日が浅い(2019年4月から発売)ので実績面で不安があります。また、扱っている病院がまだ少ないようですしネットの情報も普通の多焦点レンズより少なめです。よって、今回は見合わせました。
ここからは私がメモしておいた診察内容や感想を内容を書きます。なお、薬代は7/30の領収書を紛失してしまって不明です。診療費は領収書が全部ありますので正確に書いています。
2022/7/25(月)
初診
9:00 車でKクリニック到着
9:37 視力検査等終わり。今まで受けた眼科の検査で最も詳細な検査でした。
9:58 診療終わり。強度の近視、白内障が少し出ている。目が乾燥気味とのこと。目薬を処方されました。
次は土曜日。車を運転せずに来るように言われました。
診療費1,740円(2割負担 以降全て2割負担 但し高額療養費自己負担額を除く)
処方薬
ヒアルロン酸Na点眼液0.1%「ニットー」0.1%5mL 両眼1日4回
フルオロメトロン点眼液0.1%「ニットー」 両眼1日4回
薬代420円
2022/7/30(土)
11:00 電車とバスを使ってKクリニックに到着。車では1時間かからなかったが1時間半かかった。採血と看護師からの手術についての注意事項やスケジュールについての説明があった。帰り道はさされた目薬のせいで視界がぼやけていました。車で来ないようにという意味が分かりました。
診療費1,620円
処方薬
ヒアレイン点眼液0.1% 両眼1日4回
フルメトロン点眼液0.1% 両眼1日4回
領収証紛失のため薬代不明
※8月になったらすぐ手術する予定であったが急な体調不良のため盆明けに延期することを決めた。
2022/8/19(金)
体調が回復したのでクリニックに連絡を取りこの日を予約した。
16:00 クリニックに到着。
血液検査をして手術日を9/1に決定。
診療費570円
2022/8/29(月)
手術までに事前に使う目薬を処方してもらう。
診療費240円
処方薬
クラビット点眼液1.5% 1日4回
薬代320円
2022/8/31(水)
必ず入浴、洗髪をするように指示を受けたのでそのようにする。9/5まで両方とも禁止!
2022/9/1(木)
右眼手術日
電車、バスを使うのは行きは良いが、帰りは片目になるので妻の運転する車でクリニックまで送迎してもらう。
11:50 出発
12:50 Kクリニック到着
瞳孔を拡げる目薬を何度かさされた。
14:00 手術開始
14:20 手術終了
14:48 薬局で処方箋で薬を買う。
15:35 帰宅
手術の感想
手術前に待機部屋でメガネも時計も外し、ビニールで髪の毛と首から肩の上部を覆う。
麻酔の目薬をしてしばらく待機。
その間人の呻き声のようなものが聞こえました。
後でわかったがそれは前の人が受けた手術の吸引の音だとわかりました。
いよいよ順番が来て手術室に入りました。そこはまぶしい位明るく、先生以外に看護師?が3~4人いました。ろくに目が開いていなかったので推定です。
手術は先ず目を消毒液で洗い、顔全体を何かで覆われました。右眼だけまぶたが閉じないようにロックされました。手術中は両目を開けているよう言われたので両目をかっと開くようにしていました。右眼を切開しているのはわかったが痛みはありませんでした。視界は明るく青みがかって見えました。点が3つ見えました。点と言っても2つは三日月のようで、1つは車のテールランプのような形でした。色は全て青みがかっていました。
しばらく施術が続き突然、先生の終わったと言う声が聞こえました。
最後に眼帯をして終わり。手術は成功とのことで一安心しました。
以前した骨折の手術よりはるかに楽でした。
手術後のガーゼは自分では外さず、そのままの状態で翌日来院するように指示がありました。
診療費18,000円(高額療養費限度額) この日以降9月中は診療費不要。
健康保険が無ければ、162,720円。
処方薬
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「トーワ」 1日3回 毎食後服用
ロキソプロフェンNa錠60mg「トーワ」 痛いとき
ベガモックス点眼液0.5% 右眼 1日4回
サンベタゾン眼耳鼻科用液0.1% 右眼 1日4回
ブロナック点眼液0.1% 右眼 1日2回
薬代580円
飲み薬、痛み止め、点眼液と5種類もありましたが、痛み止めは全く使いませんでした。痛くなかったからです。点眼液は1日に2回さすものと4回さすものがあり結構面倒でした。また同じタイミングで複数の点眼液をさすときは最低5分、間を開けないといけません。
注意事項等(手術当日)
してよいこと・・・歯磨き、体や顔を拭くこと、首下シャワー
してはいけないこと・・・お化粧、マニキュア、車の運転
2022/9/2(金) 手術翌日
受付を終わってしばらくしたら、看護士さんがガーゼを取ってくれました。
右眼はまだ少しボケていますが、近距離は左眼より見えます。メガネの度数があっていないのでメガネをすると左眼の方がよく見えます。
9:30 眼圧検査等と診察
ひげそりと散歩はOK。ただし保護眼帯かメガネの着用は必須です。
クリニックで左の写真の保護眼帯を装着してもらいました。これは起きているときはいいのですが、困るのは寝る時です。このままではズレます。右眼は触ったりこすったりしてはいけないのに寝ている間に無意識にやりそうです。そこでばんそうこうで固定することにしました。和紙のばんそうこうですから自由な長さに切って保護眼帯の上から顔面に貼りました。これは見かけは悪いですが効果的でした。
ばんそうこうを使いたくないという方にはメガネタイプの保護メガネがあります。これはつるを交換できますので寝る時は水泳のゴーグルのようになりますのでズレることが少なくなります。
白内障の手術をした後、目薬を頻繁にさすようになります。その時、眼を清潔にしておかないと目薬と共に細菌などが眼に入ってしまいます。それを防ぐために私は左のクリーンコットンアイを眼薬をさす都度使用しました。特に手術から1週間は閉じ切っていない切開部分から病原体が入りやすいとのことですから注意が必要です。
2022/9/3(土)
9:10 視力検査と先生の診察で終わり。
2022/9/5(月)
左眼手術日
9/1の右眼の手術以来、洗髪をしていなかったので午前中に風呂に入りました。4日間も洗髪をしていませんでしたから気持ちよかったです。もっともハビナース シャンプーナップという水もタオルも要らないシャンプーを使っていましたから、頭のかゆみ等は無かったです。これは30枚ありますので余ったものはキャンプ等で使うつもりです。
手術の経過等は右眼の時とほぼ同じ。手術は成功。
処方薬
セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「トーワ」 1日3回 毎食後服用
ベガモックス点眼液0.5% 左眼 1日4回
サンベタゾン眼耳鼻科用液0.1% 左眼 1日4回
ブロナック点眼液0.1% 左眼 1日2回
薬代540円
今回は痛み止めのロキソプロフェンNa錠は前回使わなかったので断りました。
2022/9/6(火) 手術翌日
9:00 眼帯を外してもらいました。
左眼は視界が少し黄色がかって見えました。
手術は両眼とも終わったが今のところ特段に変わったところはありません。
両目手術後の経過
2022/9/7(水)
妻が昔使っていたメガネを試しに掛けてみると意外とよく見えたので、それを借りて手術後初めて車の運転をしました。近くのスーパーまで運転しましたがほぼ問題ありませんでした。メガネの度数が合っていないので近くは少し見えづらいけど中距離~遠距離は良く見えます。明日はKクリニックまで行くのは大丈夫そうです。
2022/9/8(木)
9:05 到着
視力検査をしてその後診察。
1.2 左眼
1.0 右眼
矯正視力は良く出ているとのことで、先生から意外にもメガネをつくってもいいと言われました。ただし度数交換保証のあるところでつくるようにとのこと。ネット等で調べると最低1カ月(人によっては3ケ月)は待った方がいいというのが多かったので少しびっくり。
2022/9/9(金)
洗髪が可能になったので目に水が入らないようにして洗髪。
2022/9/12(月)
視力検査をしてその後診察。
帰宅してすぐメガネ屋に行きで中近両用メガネをつくりました。受け取りは1週間後です。眼内レンズは30cm位に焦点が合うものなのでそれより遠い範囲はメガネが必要です。
2022/9/19(月)
メガネを受け取りました。よく見えます。早くメガネをつくってよかったです。1カ月も待てませんでした。結果として度数交換もなしでよく見えています。後日車の運転専用のメガネもつくりました。
2022/9/20(火)
視力検査をしてその後診察。
2022/10/4(火)
視力検査をしてその後診察。
診療費1,230円(月が変わったので支払いが必要になりました。)
処方薬
フルメトロン点眼液0.1% 両眼1日4回
薬代380円
2022/11/8(火)
視力検査等をしてその後診察。
診療費910円
処方薬
フルメトロン点眼液0.1% 両眼1日4回
ブロナック点眼液0.1% 右眼 1日2回
薬代400円
2022/12/13(火)
視力検査等をしてその後診察。
今日でもう来なくてもいいという先生の言葉を期待していたのですがありませんでした。次も来るようにと言われました。眼薬は残っているものを全部使い切るようにとのことでした。実際、フルメトロン点眼液が2つとブロナック点眼液が約半分残っていました。
診療費770円
【2割負担の場合のここまでの診察費、薬代の合計。】
診察費 25,080円
薬代 2,640円(7/30は不明)
不明の7/30分を加えても3万円未満だと思います。
2023/1/24(火)
視力検査等をしてその後診察。初めて先生の口から治療の終了に関する言葉が出ました。あと2回で診察が終わるとのことでした。次回は3/20です。
診療費870円
2023/3/20(月)
視力検査等をしてその後診察。今日で白内障の治療は終わりました。しかし、花粉症でしばらく通院することにしました。
診療費1,010円
白内障の手術の感想(2022/12/29時点)
結果としては手術を受けて良かったと思っています。その理由は当たり前ですが今後は白内障の手術を受ける必要がなくなるということが第一です。最初のところで書きましたが今よりもっと高齢になって手術を受けるのはしんどいだろうし、別の疾患の影響で白内障の手術を回避しないといけないはめになるかもしれないからです。実際に知り合いで持病のため私より若いのに白内障手術を受けられない人がいるのです。
白内障の手術は怖いと思っている人がいるかも知れません。人が行う手術ですからどんな名医でも失敗もあるかもしれませんし、術後の感染症も可能性はあります。それだけに医者選び、患者側の術後の生活態度も重要です。私はその両方を大体できたと思っています。
手術そのものは痛くありませんし、麻酔が切れてからの痛みもありませんでした。これはあくまでも私個人の体験に基づく見解ですが、外科手術等は麻酔が切れた時の痛みは大変ですが白内障の場合は切開部分がわずかなので最も敏感な眼でも痛みがほとんどないのだと思います。
それから白内障手術に限った話ではないのですが、手術は同一月内に済ませましょう。私の場合は9/1に右眼手術、9/5に左目の手術をしました。すると9月の総支払額は高額療養費制度のおかげで18,000円でした。これが例えば9/28に右眼手術をして10/2に左目手術をすると支払額は9月に18,000円、10月にも18,000円になります。これでは損をしますよね。病院もこれをわかっているので多分同一月内の手術を勧めてくると思いますが注意しておきましょう。